『お客さんの声から生まれた醤油』
はじめに断っておきますが、添田醤油さんはじめ、鹿児島県のほとんどの醤油屋さんは原料の大豆から最後の瓶詰め工程にいたるまで行っているわけではないのです。・・・というのも、鹿児島県にあるほとんどの醤油屋が鹿児島県醤油醸造協同組合から“生揚(キアゲ)”と呼ばれる醤油のもとを仕入れ、各醤油屋でそれぞれ独特の味付け(ブレンド)をしてそのお店独自の個性を出していくというもの。特にこの添田醸造さんの醤油は甘いということで県外からわざわざ枕崎まで求めに来る人もいるらしいです。
まずは鹿児島県醤油醸造協同組合に行き、“生揚”が出来るまでの工程を見学してきました。 |
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諸味(もろみ)を熟成している棟へ案内していただきました。
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驚いたのが、諸味(もろみ)発酵タンクの構造。 |
【諸味(もろみ)を熟成している棟】 |
熟成された諸味(もろみ)を最終的に圧搾機にかけ、「生揚(キアゲ)」と呼ばれる醤油ができるひとつ手前の状態のものができ、鹿児島県の各醤油屋に運ばれます。
鹿児島県醤油醸造協同組合から車で走ること2時間半、本州最南端の町枕崎まで到着しました。地元の小学生に案内され、添田醸造さんの敷居をまたぎました。
お会いしたのが、添田社長と品質管理者の松野下さん、他従業員の方達。笑顔で出迎えてくれました。 |
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【添田醸造の皆さん】 |
ついに、枕崎の添田醸造さんの醤油倉へ案内されました。
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【生揚のタンク】 |
【ブレンドして熱を加えるタンク】 |
ここでは協同組合から来た“生揚”と“味液(ミエキ)”と呼ばれる調味料をブレンドして専用のタンクで熱を加えここだけのオリジナルの味を生み出しています。社長の添田さん曰く、「カビとの戦いが一番苦労したところです」とのこと。というのも、ここの醤油は甘みを出すために他の醤油と比べて塩分が低く、夏場になるともろみに付くカビが発生して社長を悩ませたそうです。もろみに付くカビ自体悪いカビではないのですが、商品としてお客さんに提供するにはきれいな状態で売りたいということから10年間試行錯誤してやっと今の塩分濃度に落ち着いたそうです。
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【アットホームな作業場】 |
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瓶詰めや、ラベル張りなども手作業で行っておりアットホームな作業場でした。また、お客さんからもう少し甘くしてほしいとか、もう少しさらさらした醤油がいいとか言う意見を色々酌みこんで研究に研究を重ね、長い年月をかけて今の味が完成したと話してくれました。
もともと何故醤油が甘いのかというと、漁船に乗る船乗りさんたちが船上で食事をするために作ったといわれています。船の上での食事は魚中心になり、甘い醤油を使うとご飯がすすむらしく、長期の漁には欠かせない漁師の調味料として甘い醤油が浸透していきました。その醤油が煮物や焼き物などにも使えるということで今では枕崎の家庭の食卓には欠かせないものとなっています。
この醤油、宣伝もしていないのに大阪などに広まったのは、この醤油を使っている人たちからの口コミがすべてらしく、一度使うと2度3度と使ってみようと思わせる醤油になっているそうです。お歳暮やお中元にここの醤油を贈られた人も醤油がなくなると自分から追加の醤油を注文してくる人もいるとか。
最近は枕崎の新しい特産品として「かつおラーメン」といわれるものが開発されたらしくそのラーメンのダシにも添田醤油さんの醤油が使われていて、添田醤油の認知度が高くなっています。
醤油は毎日使う調味料。添田さんの真心がこもったお客さんを大切にする心。醤油だけにソイ(soy)ダ醤油と覚えてください。
ごぞんじ
おまけ
この日添田醸造さんの取材が終わって添田さんと夜にお食事をご一緒することになっておいしい魚を食べさせてくれる所に連れて行っていただきました。そこのお店(かみなりさん)にも添田さんの醤油を卸していてそのまま何も手を加えずに使われていました。
記事:一真 |